おはようございます。日の出の時間が6時を20分以上も過ぎるようになり、朝早くの空気が”涼しい”から”冷たいかも(笑)”になりました。沖縄にも束の間の秋が訪れているような気がします。深天舎・平良です。

 先日、プロレスラーのアントニオ猪木さんがお亡くなりになりました。享年79歳。この偉大なるプロレスラーに関する情報は、このブログで説明するには及ばないでしょう。世界に名を残す偉大な格闘家でした。

 プロレスリング。プロフェッショナルレスリング。これの対義語にアマレス、アマチュアレスリングというものが当たるかどうかは微妙ですが(なぜなら同じ名前を冠する競技としては違いが大きすぎるから)、いわゆる報酬の有無から言えば観客から観戦料を徴収する興行でありレスラーに報酬を支払っているのがプロレスであり、そうではないのがアマレスであるという意味合いにおいては、プロフェッショナルとアマチュアの位置づけに沿っているのかもしれません。

 先日のボクシング元チャンピオンが行うエキシビジョン試合の記事(自分の土俵とリスクヘッジ/コチラから)でも触れましたように、特に格闘技系のビジネスは選手が健康であり続けることも重要なファクターになっています。

 プロレスもビジネス(興行)であるからには、提供するサービス(試合そのものや選手のグッズなど)があって対価が支払われるわけですが、そこで顧客(観客)が満足するか/継続的なサービスが提供できるか、のバランスを取るのが難しいビジネスと言えるでしょう。

 昔のプロレスはベビーフェイス(正義)/ヒール(悪役)という勧善懲悪的な組み分けのもとで展開されていましたが、台本と言うよりは約束事と言い表したほうが良さげな「アングル」の存在が世の中に知られていくにつれ、「セメントマッチ(真剣勝負)」を標榜した団体のほうにも顧客(観客)の興味が枝分かれしていき、またレスリング以外の多くの武道、武術も表舞台に出てくることになりました。

 しかし「アングル」の存在は、プロレスがビジネスとして継続的に在り続けるためには非常に重要なものでした。つまり武器や急所攻撃以外に禁じ手の少ないプロレスでは、約束事(アングル)が全くない本当の真剣勝負は危険極まりないものであったわけです。
 重要な商品であるレスラーを守りつつ、継続的に興行を続けていくためにはどうしたらいいか。それらを両立させるための施策として、あるいはレスラー同士がお互いにお互いを守る手段として「アングル」が生み出されたと言えます。

 プロレスに似たいわゆる「総合格闘技」では同じように攻撃の禁じ手は少ないですが、プロレスのような派手な技はまず見られません。延髄切りはたまに(別名の技として)見られるかもしれませんが、コブラツイストやマンジ固めは完全にムリです。ジャーマンスープレックスも投げはできるかもしれませんが、ホールドはできません。そもそも目指すところが違うので、比較することすら意味がありません。

 ビジネスを展開していくうえで重要な自社商品。プロレスの場合はそれが試合であり、レスラーであるということ。「アングル」はそのために生み出された約束事であるということ。
 それらを踏まえていてもいなくても、プロレスは面白い。そう、「面白い」という経験が顧客(観客)にとっては最重要な要素なのでしょう。

 面白いボクシングとは何か。面白い総合格闘技とはどのようなものか。人それぞれに求めるものがあって、それぞれの格闘技にファンがいる。

 いろいろ派手な「技」がリングで飛び交い、個人的にプロレスの試合というのは相手の技に耐える耐久レースじゃないかと思うこともあります。技そのものも派手で見応えがあるが、それを受けて倒れて、また立ち上がるレスラーの姿が……耐久レースにも見えるその姿が……プロレスファンの心を鷲掴みにしているのではないか……と。

 アントニオ猪木さんのレスラーとしての全盛期であった1970年代から比べれば、格闘技分野のビジネス規模は実に大きくなりましたが、プロレスそのものは一定のシェア率を保つものの裾野が広がっているとは言い難い状況が続いています。おそらくこのシェア率が拡大方向に大きく動くことは難しいでしょう。

 しかし、多くのメディアで敬意を表されているように、日本で言えば力道山さん、アントニオ猪木さん、ジャイアント馬場さんらを系譜とするプロレスが作り出した”もの”は有形無形に関わらず非常に多岐に渡り存在しています。

 源流があり、水が流れて川となり、広がった先に人の住む場所が創られていく。第二次大戦後の黎明期を生きた人がまた舞台を去り、21世紀を20年も過ぎた今、ようやく本当の新世紀を迎えつつあるのかもしれません。
 しかし、忘れてはいけない何かがあることもまた事実でしょう。

 例えば。

 そう、そういうことです。

 それでは今日も頑張りましょう。


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