おはようございます。久しぶりに3連休に全く仕事をしなかった深天舎・平良です。さわやかな月曜日の朝ですね。夏至から3カ月余りを経て日の出の時刻も少しずつ遅くなってきて、出勤の時間帯に低くなった太陽が目に刺さるようになってきました。家から大きな道路に出るまでのほんの数分程度ですし、出勤時の晴天は本当に有り難いのですが、この時期は本当にグサグサ刺さります。苦笑

 さて、ここ何年かよく聞くようになったのが「サラリーマンの給料が上がっていない」という指摘です。ある意味では社会問題でもあるし、国際社会においては「給料が上がっていない国」としての自覚を求められてしまう問題でもあります。

 実はわたし、何年か前(たぶん平成の終わり頃)に何かのメディアで「沖縄県の雇用者報酬(サラリーマンの給与額)」について書いたことがあります。

 平成の30年間に最低賃金はアップしたが、沖縄県の雇用者報酬は微増であると。

 沖縄県の発表している資料(オープンデータ)を浚ってみると、はい、沖縄県の最低賃金は平成元年(1989年)が446円でした。これが平成31年(令和元年/2019年)には790円となり、今年10月からは853円になっています。30数年で407円も最低賃金が上がっている。約91%アップ、つまり普通に計算すれば沖縄県の労働賃金は平成元年を100としたら、今年は191になっている計算になります。

 最低賃金は30数年前と比較して、91%アップ。191%。1.91倍。に、なっていますか、沖縄県の雇用者報酬は。なっていませんね。沖縄県の労働賃金は、この30数年で1.91倍になっていません。

 いや最低賃金が増えた分はどこに消えた? と言いたいところですが、安易にこれが原因だなどとは言いづらい複合的な要素が絡まっているのは間違いありません。

 ただ言えること。企業の収入(売上/利益)が増えていれば、多少の差こそあれど社員の給料も増えていくはずです。ということは企業の収入(売上/利益)が増えていない・・・のかなと思って、県民所得(という名前ですが本当は企業の収入を示す)をザックリ調べると、平成の30年間で23134億円→34611億円と、約1.49倍になっています。最低賃金(1.91倍)ほどは増えていませんが、それでも約49%アップしているわけです。
 では、せめて県民所得が1.49倍に増えた分は給与に反映されているのかな・・・で、雇用者報酬の表を探しましたが、なぜか30年前くらいの資料が探せません(なぜかではなく私が下手なだけだと思いますが)。以前に調べたときは確か1.2倍以下だったような記憶が・・・まずは自分の資料データを整理しなければいけませんね。誤って削除していたら本当に困るなあ。苦笑

 実は今日はここから本題なのですが、最低賃金の向上と県民所得、雇用者報酬の向上のグラフに差が出てしまう要因のひとつ(そう、あくまでも要因のひとつです)として、国や地方自治体の「入札制度」や民間企業の「相見積」が挙げられるのではないかと考えた次第です。

 国や地方自治体では予算内に収めるために入札制度、というものがあります。民間企業ではよく相見積と言って、ひとつの案件に複数社(最低でも2~3社以上)にサービスの仕様を指定した見積提出を依頼し、業務の発注先を決めています。

 入札制度の根幹は「公金を節約して使うため」という考えにあって、目的は「安い金額を提示(入札)した会社に業務を発注する」というところです。民間の相見積も似たような意味合いを持っています。限られた予算を有効活用する目的ですね。

 はい、発注する金額を抑えたいわけです。悪くないですよ。真っ当な目的だと思います。私もこれに則って仕事をしてきました。数知れない受注は金額を抑え気味にという暗黙の了解がありましたし、受注の数倍はあるだろう発注するときは金額を抑えめにしたいと考えてきました。

 ただ、ある時ハタと気づいたわけです。

 あれ? 自分を仕事を一緒にやってくれるパートナー(外部スタッフ)に支払う額を安く抑えるって(もちろん後出しジャンケンはしませんが)どういうことなのかな。と。

国や自治体は金額を抑えて発注したい。受注する会社は利益を出すために仕事の一部を金額を抑えて外部に発注する。そうすると下請けとなる企業(個人)の収入も低くなる。その先にも発注先があるかもしれず(孫請けやひ孫請けはきっとある)、この抑え気味発注が連鎖していくと・・・末端の人々の収入はどうなるでしょうか。

 入札制度や相見積が悪いのではありません。これまではそれも必要でした。

 ここから少し分けて話しますが、
 国や自治体の入札制度について、事業内容を採点していくコンペティションは別として、金額にこだわる入札制度を続けるよりは予算満額の抽選制度にすれば良いのではないかと考えます。年間の実施事業、予算は決まっていますし、件数が見えるなら指名事業者同士でJVを組んでもらうなどして必ず発注するシステムを取れば良いのではないか。ということです。

 企業の相見積を無くすのは非常に難しいでしょうが、外部パートナーとともに発展していく考えならば、お互いに納得のいく発注体制を作る必要があるでしょう。
 そんなことを言いながらもここ半年で2回ほど「ちょっと調整してもらえないでしょうか」と、ついつい発言してしまった私自身も戒めなければいけません。
 物価高になっていますし、もろもろの仕入れ値も上がっています。発注先に「1年前と同じ価格で」とは絶対に言えませんが、市場の状況を見ますと40%も見積額が上がるのはちょっと……。相見積は取らないのでちょっと調整して……。うーん、難しい。苦笑。

 雇用者報酬を増やすには、企業の売り上げが増えなければいけません。そのための価格上昇があって物価高があるなら、それは受け入れられるでしょう。企業の実績を向上させるために、入札制度や相見積を再考してみる……が、最適解のひとつであると考えます。

 60分に迫ってきて、もうかなり中途半端ですが、今日も頑張ってまいりましょう。笑 


1件のコメント

談合を考える(23年2月9日) – 深天舎ブログ「Deep Sky 19156」 · 2023年2月9日 11:13 AM

[…]  以前にも書いたのですが(その記事はコチラをクリック)、時代はそろそろ「入札制度を再考する時期」に来ていると考えられます。 […]

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