AIは人をバカにする（23年4月3日）

おはようございます。新年度最初の月曜日に嬉しい晴天ですね。まだ春休みだとは思えないほどの大渋滞でしたが、これが雨だったら……想像したくないですね。苦笑

この半年ほどで急速に名が知れ渡ったAI（人工知能）を使ったチャットサービスがありますね。うーん、固有名詞を出そうか迷いますが、チャットGPTです。どうせタグにも入れるし。笑

このサービスを使用して、大学を卒業生答辞を書いたと話題になりました。

本人は留学生であり「文章の中身より先ず”てにをは”を注意されることが多いため、チャットサービスを使って答辞を書いてみた」とのことでしたが、わたしはその方の為人を存じませんので、その答辞を本人が書いたと言われれば信じてしまうでしょう。
（以下、23年4月4日追記）
”てにをは”は注意できる、文章の内容をチェック・評価できない指導者（上司）も少なくありません。そういう指導者（上司）に当たったときの心情は察して余りあります。
（追記終わり）

また同じサービスを使って新聞に寄稿した方の文章も読みました。これまた試しに使ってみたということでした。わたしはその寄稿者の為人を存じませんので、その文章を本人が書いたと言われれば信じてしまうでしょう。

つまり、2023年は「その人が書いた文章なのか、どこぞのAIチャットサービスが書いた文章なのか、分からない元年」になったということですね。

どこかの小説家はゴーストライターの代わりにこのサービスを使うかもしれません。
小論の授業では密かにAIチャットサービスで書かれた論文が合格点を取るかもしれません。

そして次第に、人間はバカになっていってしまうでしょう。

なぜならば、人間が人間たる最大の特徴は思考能力であり、最高の道具はコミュニケーション能力であるからです。そのふたつは、実際に考える、コミュニケーションを取るという行動をしなければ、必ず衰えるものだからです。

運動しなければ身体は衰えます。

同じように、使わなければ脳も衰えていきます。

AIチャットサービスを利用するごとに、人間から思考能力とコミュニケーション能力のふたつが衰えていくことは確実です。

現在、インターネットには「正しいか正しくないか分からない情報」が溢れています。情報源のハッキリしないネタを元に適当な文章を書いた集客目的の記事も溢れています。これらの品質も段々と下がってきている（段々と適当な記事の割合が増えてきている）のですが、ここにAIチャットサービスが加われば、もうインターネットの世界は何が正しいか分からなくなる。
それだけではなく、そのサービスの情報を鵜呑みにした人が知識としてそれを使いだすと、現実の世界まで正しくない知識が広がっていく。

イタリアではチャットGPTを使用禁止にしました。データ収集に違反の疑いという理由ですが、問題は情報収集の方法ではなく、収集した情報が確かなものなのか、確実性・正確性が保証されないというところでしょう。

もっともらしい文章を信じてしまうのも考えものですが、そんな文章がインターネットの世界に爆発的に増えるであろうことのほうが問題ではありませんか。

そして長期的には、人間がバカになっていくことが最大の問題となります。

AI（人工知能）は、諸刃の剣です。

最近、「AIを使って企業内の問題点や課題を解決していく」というような記事を見た記憶がありますが、これも思考放棄でしかありません。

もしもAIが「社長自身が問題なので社長は退任して後任に譲ってください。」と言い出したら、退任なさるのでしょうか。その覚悟があるなら構いませんが。

安易にAI、何でも人工知能と言い出すのは、流行りに飛びつく社会的習性ですが、AI（人工知能）ばかりは使い方を間違えると恐ろしいことになります。

想像できるうちに、想像してください。

考えるチカラを失ってからでは遅いのです。

AI（人工知能）に任せてもいいこと、人間が自分のために自分でやらなければならないこと。その境目は確実に存在しています。

何でもAI（人工知能）に頼るというのは、長期的には人間にとってはマイナスです。

逆に人間をバカにしたいなら、AI（人工知能）はおススメです。考える能力もコミュニケーション能力も失わせますから。

便利な道具には危険性がある。便利な道具は諸刃の剣である。これは昔から変わらぬ鉄則であるようです。

原初の火。

火を扱ったとき、人は動物から霊長類になったのだと言われています。つまり、自分で火を起こすことができるようになったときですね。
そして今もなお、火は利便性と危険性を併せ持った存在で在り続けています。

AI（人工知能）もまた、利便性の陰に危険性を孕んでいます。

ぜひ多くの人にも考えて頂きたい。思考能力を放棄してはいけません。

それでは今日も頑張ってまいりましょう。